2020年1月7日(火)のフジテレビの直撃LIVE グッディ!で多くの会社の仕事始めの1月6日に「退職代行」に力を入れている弁護士事務所にカメラを入れて取材していました。
事務所の方は、お昼の休憩をとる時間もないくらい、ひっきりなしに電話が鳴っていました。
最近、利用する人が増えているという退職代行について詳しく調べてみたいと思います。
退職代行とは
退職代行は、会社を辞めたいけれど会社に退職の申し出を言えない人が、本人に代わって会社に退職の申し出をしてくれるサービスです。
2018年頃からSNSで話題になり、今では一般的になりつつあるサービスです。
退職代行のサービスを行っているのは一般業者、弁護士事務所が行っています。
退職代行の相場や金額
退職代行を頼む場合、どのくらいの金額がかかるのか気になるところです。
調べてみたところ、
- 退職代行サービス(弁護士資格なし)の料金は、1万円~5万円くらい
- 退職代行を専門的に受けている弁護士の場合2万円~5万円です。
この金額を安いと思うか高いと思うかは、人それぞれだと思います。
弁護士の場合は、基本料金の中に残業代や未払い給与などの支払い交渉も含む事務所もあれば、交渉はオプションで別途料金がかかる事務所もあります。
トラブルや交渉が必要な場合は、多少料金が高くても料金に全て含まれている退職代行を選ぶのがおすすめです。
退職代行サービスと弁護士の違い
退職代行サービス業者は、会社に退職や有給休暇消化の意思の伝達のみを行います。
伝えるだけなので、会社との交渉はできないため一方通行です。
残業代や退職金、未払い給料に関する交渉をすることはできません。
退職代行を調べていると、弁護士資格を持たない一般業者が退職代行を行うのは、弁護士法72条違反(非弁行為)であるという弁護士の見解を目にすることもあります。
一方、退職代行サービスは、交渉をしていないので弁護士法72条違反(非弁行為)には当たらないという弁護士の見解もあります。
現在、退職代行サービス業者が退職代行を行って弁護士法違反となった裁判例がありません。
なので、退職代行サービスが非弁行為であると最終的な結論はでていないのが現状です。
弁護士によって、意見の相違があるのはそのためです。
弁護士に依頼しなくても交渉可能な退職代行
弁護士に依頼するほど会社とのトラブルはないけれど、有給休暇の消化や退職金、未払い給与などの交渉は必要になる場合に弁護士よりも費用が安く、労働者にとってはメリットがあるのが「労働組合」です。
労働組合と言われても自分の働いている会社は中小企業だから労働組合はないので、交渉は弁護士に頼むしかないと諦めますよね。
会社に労働組合がなくても、社外にある業種や地域ごとに団結した労働組合の合同労働組合(ユニオン)に加入することで、会社にあるような労働組合と同じように憲法や労働組合法による、「労働組合」としての権利、保護を受けることができます。
合同労働組合(ユニオン)の中に、退職代行専門の合同労働組合(ユニオン)があります。
合同労組(ユニオン)への加入は正社員だけでなく、パートや契約社員、派遣社員など労働組合のサポートを受けることができます。
退職代行専門の合同労働組合(ユニオン)を利用も選択肢の一つです。
合同労働組合(ユニオン)は、有給休暇の消化や退職金、未払い給与などの交渉をすることは可能ですが、
急に会社を辞めたことによって、会社側から損害賠償請求の裁判を起こされるなどトラブルになる可能性がある場合は、退職代行の経験豊富な弁護士に頼んだ方が、スムーズに退職できる確率が高いと考えられます。
退職代行はどんな手続きをどこまでしてくれるのか
退職代行サービスには、一般業者、労働組合、弁護士と3つのサービスがあることをご紹介してきました。
それぞれのサービスによってできることとできないことがります。
どのサービスを利用しても会社側に退職の意思を伝えることは可能です。
退職の意思を伝えるだけならば、一般業者が料金も安いです。
長期間勤務していた場合は、有給休暇の消化や未払い給与、退職金の交渉など、よくよく考えると必要になってくることが多いと思います。
その場合は、労働組合や弁護士に依頼する必要があります。
一般業社・労働組合・弁護士の退職代行にできること できないこと
一般業者 | 労働組合 | 弁護士 | |
---|---|---|---|
退職や有給休暇の意思を伝える | ◯ | ◯ | ◯ |
有給休暇消化・残業代・退職金・未払い給料に関する交渉 | × | ◯ | ◎ |
損害賠償請求等に対する裁判の代理人 | × | × | ◎ |
退職代行を利用でのトラブル
退職代行を利用したいけれど、あとあとトラブルになるんじゃないかと心配で頼みたいけど頼めないという人もいるでしょう。
退職代行を利用してのトラブルの多くは、会社とは伝達のみで、交渉することができない一般業者に依頼した場合が多いようです。
退職代行業者から「退職完了」の連絡が来て退職できたと安心していたら
勤務先の上司が激怒して大量に連絡が入り、その旨、代行業者にクレームを入れると退職代行業者は、「うちは弁護士ではないので交渉できない」と言われ
再度、弁護士に相談することになったというケースもあるようです。
一般業者の退職代行は、退職の意思を伝えるだけなので、会社側が、それを認めたかどうかまでをしっかり確認できないとトラブルになるようです。
まとめ
退職代行を初めて聞いたときは、こんなサービスが流行るのかな?と思いましたが
ブラック企業で会社を辞めたくても辞めさせてもらえなくて精神的に追い詰められる人もいます。
また、何度も退職の意思を上司に伝えても、人手が足りないのを理由にいつまでも退職できないという人もいるようです。
そういった場合には、第三者にお願いするのもありなのかと思います。
退職代行を使うにせよ、使わないにせよ「立つ鳥跡を濁さず」できるだけ円満に解決したいものです。